選挙における規制・法令など

◆衆議院選挙

候補者個人
小選挙区ビラ 公費負担有り 
□2種以内
□規格制限有り(A4サイズ297×210mm以内)微妙に超えても×寸法チェックすること
□記載内容に制限なし
□頒布責任者及び印刷者の氏名・住所を記載
□都道府県選管の交付する証紙を貼付(証紙ビラ)
□頒布方法に制限有①新聞折込②選挙事務所内③演説会の会場内④街頭演説会の場所
※候補者届け出政党、名簿届出政党などの②③④でも頒布可

候補者届出政党
届出政党ビラ 公費負担無し

□候補者を届出た都道府県において、4万枚に当該都道府県における届出候補者数を乗じて得た枚数以内(選挙区ごとに4万枚
□規格制限有り(42cmx29.7cmA3判以内)
□種類制限なし
□記載内容に制限なし。
□(1)候補者届出政党の名称(2)頒布責任者及び印刷者の氏名・住所の記載は必要
□都道府県選管の交付する証紙を貼付
□頒布方法に制限有り①新間折込③選挙事務所内③演説会の会場内④街頭演説会の場所
※候補者、名簿届出政党などの②③④でも頒布可

◆比例代表選挙
名簿届出政党
□名簿を届け出たブロック選挙区において
□2種類以内(中央選管に届出必要)
□枚数制限なし
□記載内容に制限なし。但し以下の記載は必要
(1)名簿届出政党の名称
(2)「〇〇党衆議院〇〇比例区届出ビラ第〇号」という表示(記号)
(3)    頒布責任者及び印刷者の氏名・住所
□中央選管の交付する証紙を貼付
□頒布方法に制限有り①新間折込②選挙事務所内③演説会の会場内④街頭演説会の場所
※候補者、候補者届出政党などの②③④でも頒布可

選挙事務所
看板 最大3500×1000mm3枚まで
政党事務所
看板 最大3500×1000mm3枚まで

◆地方選挙

茨木市 446ヵ所 2021年現在
箕面市 269ヵ所 2021年10月現在
池田市 199ヵ所 2021年8月現在
豊能町  81ヵ所 2021年10月現在
能勢町  49ヵ所 2021年10月現在
大阪9区掲示板数 合計1044ヵ所
2017年衆議院選挙 1045ヵ所

立札及び看板の類の総数等 (公職選挙法施行令第110条の5第1項第5号)

(文書図画の掲示)
第143条 選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第1号、第2号、第4号、第4号の2及び第5号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。

1.選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類

2.第141条(自動車、船舶及び拡声機の使用)の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類

3.公職の候補者が使用するたすき、胸章及び腕章の類

4.演説会場においてその演説会の開催中使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類

4の2.屋内の演説会場内においてその演説会の開催中掲示する映写等の類

4の3.個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員又は都道府県知事の選挙の場合に限る。)

5.前各号に掲げるものを除くほか、選挙運動のために使用するポスター(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者が使用するものに限る。)
《改正》平12法118
《改正》平25法010


2 選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類(前項第4号の2の映写等の類を除く。)を掲示する行為は、同項の禁止行為に該当するものとみなす。

《改正》平25法010


3 衆議院(小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員又は都道府県知事の選挙については、第1項第4号の3の個人演説会告知用ポスター及び同項第5号の規定により選挙運動のために使用するポスター(衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党が使用するものを除く。)は、第144条の2第1項(ポスター掲示場)の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者1人につきそれぞれ1枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。
《改正》平25法010

4 第144条の2第8項の規定によりポスターの掲示場を設けることとした都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙については、第1項第5号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、同条第8項の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者1人につきそれぞれ1枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。


5 第1項第1号の規定により選挙事務所を表示するための文書図画は、第129条(選挙運動の期間)の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示することができる。

6 第1項第4号の3の個人演説会告知用ポスター及び同項第5号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、第129条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示しておくことができる。
《改正》平25法010


7 第1項第1号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、選挙事務所ごとに、通じて3をこえることができない。

8 第1項第4号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、演説会場外に掲示するものについては、会場ごとに、通じて2を超えることができない。

9 第1項に規定するポスター(同項第4号の3及び第5号のポスターを除く。)、立札及び看板の類(屋内の演説会場内において使用する同項第4号のポスター、立札及び看板の類を除く。)は、縦273センチメートル、横73センチメートル(演説会看板)(同項第1号のポスター、立札及び看板の類にあつては、縦350センチメートル、横100センチメートル)※選挙事務所看板)を超えてはならない。


10 第1項の規定により掲示することができるちようちんの類は、それぞれ1箇とし、その大きさは、高さ85センチメートル、直径45センチメートルを超えてはならない。


11 第1項第4号の3の個人演説会告知用ポスターは、長さ42センチメートル、幅10センチメートルを超えてはならない。

《改正》平25法010


12 前項のポスターは、第1項第5号のポスターと合わせて作成し、掲示することができる。

13 第1項第4号の3の個人演説会告知用ポスターには、その表面に掲示責任者の氏名及び住所を記載しなければならない。

《改正》平25法010


14 衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院議員の選挙においては、公職の候補者は、政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で、第1項第1号及び第2号の立札及び看板の類、同項第4号の3の個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙の場合に限る。)並びに同項第5号のポスターを無料で作成することができる。この場合においては、第141条第7項ただし書の規定を準用する。

《改正》平12法118


15 都道府県の議会の議員及び長の選挙については都道府県は、市の議会の議員及び長の選挙については市は、それぞれ、前項の規定(参議院比例代表選出議員の選挙に係る部分を除く。)に準じて、条例で定めるところにより、公職の候補者の第1項第4号の3の個人演説会告知用ポスター(都道府県知事の選挙の場合に限る。)及び同項第5号のポスターの作成について、無料とすることができる。

《改正》平12法118
《改正》平25法010


16 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この項において「公職の候補者等」という。)の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名又は当該公職の候補者等の氏名が類推されるような事項を表示する文書図画及び第199条の5(後援団体に関する寄附等の禁止)第1項に規定する後援団体(以下この項において「後援団体」という。)の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示する文書図画で、次に掲げるもの以外のものを掲示する行為は、第1項の禁止行為に該当するものとみなす。

1.立札及び看板の類で、公職の候補者等1人につき又は同一の公職の候補者等に係る後援団体のすべてを通じて政令で定める総数の範囲内で、かつ、当該公職の候補者等又は当該後援団体が政治活動のために使用する事務所ごとにその場所において通じて2を限り、掲示されるもの

2.ポスターで、当該ポスターを掲示するためのベニヤ板、プラスチック板その他これらに類するものを用いて掲示されるもの以外のもの(公職の候補者等若しくは後援団体の政治活動のために使用する事務所若しくは連絡所を表示し、又は後援団体の構成員であることを表示するために掲示されるもの及び第19項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内に掲示されるものを除く。)

3.政治活動のためにする演説会、講演会、研修会その他これらに類する集会(以下この号において「演説会等」という」の会場において当該演説会等の開催中使用されるもの

4.第14章の3(政党その他の政治団体等の選挙における政治活動)の規定により使用することができるもの

17 前項第1号の立札及び看板の類は、縦150センチメートル、横40センチメートルを超えないものであり、かつ、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)の定めるところの表示をしたものでなければならない。

第144条 第143条(文書図画の掲示)

第1項第5号のポスターは、次の区分による数を超えて掲示することができない。ただし、第1号のポスターについては、その届け出た候補者に係る選挙区ごとに千枚以内で掲示するほかは、掲示することができない。
1.衆議院(小選挙区選出)議員の選挙において候補者届出政党が使用するものにあつては、その届け出た候補者に係る選挙区を包括する都道府県ごとに、千枚に当該都道府県における当該候補者届出政党の届出候補者の数を乗じて得た数
2.衆議院(比例代表選出)議員の選挙において衆議院名簿届出政党等が使用するものにあつては、その届け出た衆議院名簿に係る選挙区ごとに、500枚に当該選挙区における当該衆議院名簿届出政党等の衆議院名簿登載者の数を乗じて得た数
2の2.参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者1人について7万枚
3.都道府県の議会の議員、市の議会の議員又は市長の選挙にあつては、公職の候補者1人について1200枚。ただし、指定都市の市長の選挙にあつては、候補者1人について4500枚
4.町村の議会の議員又は長の選挙にあつては、公職の候補者1人について500枚

《改正》平12法118

2 前項のポスターは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会。以下この項において同じ。)の定めるところにより、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の行う検印を受け、又はその交付する証紙をはらなければ掲示することができない。この場合において、同項第1号のポスターについて当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の行う検印又はその交付する証紙は、当該選挙の選挙区ごとに区分しなければならない。

《改正》平12法118

3 前2項の規定は、次条第8項の規定によりポスターの掲示場を設けることとした都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙については、適用しない。
4 第143条第1項第5号のポスターは、衆議院(比例代表選出)議員の選挙において衆議院名簿届出政党等が使用するものにあつては当該選挙区ごとに中央選挙管理会に届け出た3種類以内のものを掲示するほかは掲示することができず、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙において候補者届出政党が使用するもの及び衆議院(比例代表選出)議員の選挙において衆議院名簿届出政党等が使用するものにあつては長さ85センチメートル、幅60センチメートル、それ以外のものにあつては長さ42センチメートル、幅30センチメートルを超えてはならない。
届出政党ポスター(証紙)長さ850×幅600mm(A1)
5 第143条第1項第5号のポスターには、その表面に掲示責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては、名称)及び住所を記載しなければならない。この場合において、候補者届出政党が使用するものにあつては当該候補者届出政党の名称を、衆議院名簿届出政党等が使用するものにあつては当該衆議院名簿届出政党等の名称及び前項のポスターである旨を表示する記号を、参議院名簿登載者が使用するものにあつては当該参議院名簿登載者に係る参議院名簿届出政党等の名称を、併せて記載しなければならない。

「公示」国会議員の総選挙に関して使う言葉
日本国憲法第7条を根拠に、内閣の助言と承認によって行なう天皇の国事行為の1つで、衆議院の総選挙だけでなく、3年ごと半数改選の参議院通常選挙についても「公示」と言う。
「告示」はその他の選挙について使う言葉
地方自治体の首長選挙や地方議会議員の選挙は各選挙管理委員会が「告示」する。また、国政選挙であっても補欠選挙に関しては天皇の国事行為ではないため、「告示」と言う。

摂津市
高槻市
島本町
守口市
守山市
西宮市

看板類について

9 第1項に規定するポスター(同項第4号の3及び第5号のポスターを除く。)
演説会看板 縦273センチメートル、横73センチメートル内 掲示責任者記載 「演説会」は記載しなくてもよい
選挙事務所看板 縦350センチメートル、横100センチメートル以内

国政選挙は演説会看板5枚まで 選挙事務所看板は3枚まで 公費負担あり

大阪府選挙管理委員会請求に関して

参議院議員選挙

参議院選挙
参議院議員の任期は6年で、その半数を3年ごとに改選します(憲法第46条)。また、衆議院と違い、参議院には解散がありませんので、6年間の任期が満了するときに参議院議員選挙を実施して新たな議員を選出します。
 参議院議員の定数は248人で、そのうち148人が、原則、都道府県を単位とした選挙区選挙で、100人が全国を1つのブロック(選挙区)とした比例代表選挙によって選ばれます。2016年より、鳥取県と島根県、徳島県と高知県はそれぞれ合区され、2県の区域が1選挙区となりました。
 選挙区選挙は、人口に応じて都道府県に2~12議席を配分しています。半数改選のため、それぞれの選挙では1~6議席を争う選挙になります。
 比例代表選挙では、政党が独自に作成した比例名簿を中央選挙管理委員会に届け出て、その中から当選者が決まります。政党が事前に名簿順位を決定しない非拘束名簿式を導入しており、名簿順位は有権者の投票によって決まります。ただし、今回の参院選より導入された特定枠の候補者は、得票数に関係なく優先的に当選します。
公費負担のしおり(神奈川県参議院議員選挙 令和元年)

 参院選では「選挙区選挙」と「比例代表選挙」が行われますので、有権者1人につき2回投票します。選挙区選挙は「選挙区の候補者名」を書いて投票し、比例代表選挙では「政党名」または「比例代表の候補者名」のいずれかを書いて投票します。

saninsen_tohyo

 選挙区選挙は、選挙区ごとに、得票数の最も多い候補者から順に改選定数までの人が当選します。

 比例代表選挙は、まず政党の得票総数(政党名+名簿登載の個人名)に基づいて各政党の当選人数が決まります(「比例代表の議席配分を決めるドント式」参照)。そして、特定枠、個人名による得票数の多い候補者から順に当選人が決まります(「参院選比例代表 当選者の決め方」参照)。

比例代表の議席配分を決めるドント式

比例代表の議席数は、「ドント式」という計算方法を用いて配分します。各党の得票数を正の整数(1、2、3、4、・・・)で割り、その商が大きい順に定数に達するまで各党に議席を配分します。
・比例代表に4党(A党、B党、C党、D党)が届け出ました。
・得票数がA党=10,000票、B党=4,500票、C党=3,000票、D党=1,000票でした。
・定数は6議席です。

d2fdbf3f038de14a183afb456f8e3e87

<1議席目>表のように、まず各党の得票数を「1」で割ります。その中で一番大きい数字(=10,000)のA党に1議席が配分されます。

<2議席目>次に、各党の得票数を「2」で割ります。その結果、1議席目に割り当てた10,000票の次に大きな数字は、A党の得票数を2で割った5,000票となるので、A党に1議席が配分されます。

<3議席目>さらに「3」で割ります。その結果、2議席目を配分した5,000票の次に大きな数字は、B党の得票数を1で割った4,500票になるので、B党に1議席が配分されます。

<4議席目以降>3議席目までと同様、得票数を正の整数で割り、その商が大きい順に議席を配分するという作業を全議席の配分が確定するまで繰り返します。

 なお、配分された議席数が比例名簿に登載された候補者数を上回った場合は、ドント式により算出された結果に基づき、他の政党へ順次配分されます。

比例代表の当選の決め方

 国政選挙ではしばしば、いわゆるタレント候補といわれる知名度の高い候補者が擁立されます。これはなぜなのでしょうか?もちろん候補者本人の志があってのことですが、政党が選挙戦略の一つとして、とりわけ参院選比例区にタレント候補を立てることには理由があり、これには選挙の仕組みが大きく関係しているのです。

名前を覚えてもらうことが大事

 参院選比例区は、日本全国を1つの選挙区として行われます。候補者は、全国を巡って名前を覚えてもらわなければなりません。また比例区には100人以上が立候補するため(今回の2019年参院選は155人)、有権者がすべての候補者の名前を覚えることは難しいでしょう。もともと知名度の高い候補者は、その点でやや優位に立っていると考えられます。

 政党がタレント候補を擁立する理由はほかにもあります。それには比例区の当選者の決め方が影響しているので、次にその点を見てみましょう。

候補者への1票は、同時に政党への1票

(1)政党が届け出る

 選挙が告示されると、政党は比例名簿を中央選挙管理委員会に届け出て、有権者は名簿を届け出た政党に対して投票します。その得票数に応じて各党に議席が配分され、その数だけ名簿に登載された候補者から当選者が決まります。

 参院選比例区では基本的に、政党が名簿順位をあらかじめ決めず、有権者の投票によって順位を決める「非拘束名簿式」が採用されています。ただし、2018年に公職選挙法が改正され、政党や政治団体が特定の候補者を優先的に当選させる「特定枠」が導入されました。名簿の中に特定の枠を設け、その枠の候補者は個人名での得票数に関係なく優先的に当選します。枠を設定するかしないか、その人数も含めて政党が自由に設定できます。

 ではどのように当選者が決まるのでしょう。

(2)有権者が投票する

 有権者は、次の2通りのうち、どちらかの方法で投票します。
 ・政党名を書く
 ・名簿に登載されている候補者名を書く

(3)政党別の獲得議席数が決まる

 開票の際は、まず政党の得票数を確定させます。このとき、候補者名の書かれた票も、その候補者が所属する政党への票として計算します。つまり、候補者名の書かれた票は候補者への1票と同時に、政党への1票という意味を持っているのです。

 政党名が書かれた票と、候補者名が書かれた票を合わせて、政党の得票数の合計を算出します。その票数に応じて獲得議席数が決まります。

 ここで前述の通り、もし知名度の高い候補者名を多くの有権者が書いた場合、これは政党への1票となるため獲得議席数に影響を及ぼすのです。

(4)当選者が決まる

 次に、各党は獲得議席分だけ名簿順位の上位者から当選を決めます。この名簿順位は、候補者名が書かれた票の数によって決まります。

 より多くの個人票を獲得した候補者が名簿上位となり、順位が獲得議席数の範囲内であれば、当選となります。

非拘束名簿式の当選の決め方

 非拘束名簿式の名簿順位の決め方について、例を使って説明します。

 ア党とイ党が4人ずつ立候補させたとします。
 【ア党】比例名簿登載者(候補者):A、B、C、D
 【イ党】比例名簿登載者(候補者):E、F、G、H

 それぞれの得票は次の通りで、ア党とイ党の得票数は、政党名が書かれた票と、政党所属の候補者名が書かれた票をすべて合わせた票(ア党=56,000票、イ党=40,000票)になります。その結果、ア党が3議席、イ党が2議席獲得しました。

非拘束名簿式―政党の得票数

 次に名簿順位を決めます。名簿順位は政党ごとに候補者名が書かれた票数で決まります。そのように並び替えたものが次の表です。獲得議席数に応じて、ア党は名簿上位の3人、イ党は2人が当選となります。

非拘束名簿式―名簿順位

事実上の拘束名簿式に

 これまでの参院選比例代表では非拘束名簿式を採用してきましたが、今参院選から導入された「特定枠」により、特定枠の候補者は候補者名での得票数に関係なく優先的に当選します。上記のイ党を例に、特定枠が設定されているケースを見てみます。

非拘束名簿式-特定枠

 2議席を獲得したイ党の比例名簿に特定枠が設定されていない場合は、得票数の多い上位2人であるF候補とH候補が当選します。一方、特定枠が設定されている場合、当選は特定枠の候補者が優先されます。特定枠にG候補とH候補の2人が入っていたとすると、得票数に関係なくG候補とH候補が当選し、イ党の中で最も票を獲得したF候補は落選となります。

 これは過去に採用していた拘束名簿式の事実上の復活といえるでしょう。

432ce30076b1a83e6c598709fe0039f7

大阪府選挙区
第1区  大阪市(中央区・西区・港区・天王寺区・浪速区・東成区)
第2区  大阪市(生野区・阿倍野区・東住吉区・平野区)
第3区  大阪市(大正区・住之江区・住吉区・西成区)
第4区  大阪市(北区・都島区・福島区・城東区)
第5区  大阪市(此花区・西淀川区・淀川区・東淀川区)
第6区  大阪市(旭区・鶴見区)・守口市・門真市
第7区  吹田市・摂津市
第8区  豊中市
第9区  池田市・茨木市・箕面市・豊能郡
第10区  高槻市・三島郡
第11区  枚方市・交野市
第12区  寝屋川市・大東市・四條畷市
第13区  東大阪市
第14区  八尾市・柏原市・羽曳野市・藤井寺市
第15区  堺市(美原区)・富田林市・河内長野市・松原市・大阪狭山市・南河内郡
第16区  堺市(堺区・東区・北区)
第17区  堺市(中区・西区・南区)
第18区  岸和田市・泉大津市・和泉市・高石市・泉北郡
第19区  貝塚市・泉佐野市・泉南市・阪南市・泉南郡

scroll-to-top